《著書》
(1) 改訂「吃音研究ハンドブック」
神山五郎(大阪教育大学教授) 共編著
1973年 金剛出版
吃音研究・臨床に携わろうとするアメリカ言語病理学の専門家養成の教科書の翻訳。 専門用語の解説、日本の吃音研究論文の目録を含む。
(2) 人間とコミュニケーション ~吃音者のために~
内須川洸(大阪教育大学教授) 大橋佳子(金沢大学教授) 共訳著
1975年 日本放送出版協会
アメリカ言語財団の吃音シリーズの第9巻『To The Stutterer』の翻訳。24名の自分自身が吃音の言語病理学者、小児科医が、自身の体験を踏まえて、「吃音と共に生きる」ことを提案。その中から11編を選んだ。日本の成人のどもる人の体験、伊藤伸二との吃音問答も収めた、どもる人へのメッセージ。
(3) 吃音者宣言
編著 1976年 たいまつ社
成人のどもる人のセルフヘルプグループである、言友会の創立10年目にして出された「吃音者宣言」の解説書。言友会の創立から10年の活動の歴史と、どもる人の体験をもとに、「吃音を治すから吃音と共に生きる」に到った、体験と活動を整理し、どもる人への、新しい生き方を提言。
(4) 吃音と上手につきあうための吃音相談室
編著 1999年 芳賀書店
エリクソンのライフサイクル論、ウェンデル・ジョンソンの言語関係図を基本構想にして、筆者から、どもる子どもの母親へ、一般学級の教師へ、どもる十代のヤングへ、成人のどもる人へ、手紙の形式をとって、吃音と上手につきあうことを提言。
(5) 新・吃音者宣言
単著 1999年 芳賀書店
吃音を、人間関係、コミュニケーション、教育から幅広くとらえる。カウンセリングの様々な理論や技法を学んできたことを、吃音を切り口にまとめた、エッセー集。竹内敏晴の解説を含む。
(6) 論理療法と吃音 ~自分とうまくつきあう発想と実践~
石隈利紀(筑波大学教授) 共著
2001年 芳賀書店
日本吃音臨床研究会の吃音ワークショップ「論理療法」の記録。アルバート・エリスの論理療法の解説、実習を踏まえて、論理療法を吃音に生かすための論考。大阪吃音教室の実践も紹介。吃音への対処に論理療法を活かす。
(7) 知っていますか? セルフヘルプ・グループ一問一答
中田智恵海(仏教大学教授) 共編著
2001年 解放出版社
セルフヘルプ・グループについて分かりやすく解説。セルフヘルプ・グループの社会的意義を実際の活動体験をもとに整理。グループの作り方、活動の留意点などにも触れる。
(8) 知っていますか? どもりと向きあう一問一答
単著 2004年 解放出版社
吃音の原因論、吃音のメカニズム、吃音治療の歴史など、吃音臨床に携わる中で出される様々な質問の中から、24の質問を選んで、従来とは違う視点から回答。
(9) 治すことにこだわらない、吃音とのつき合い方
水町俊郎(愛媛大学教授) 共編著
2005年 ナカニシヤ出版
言語聴覚士の養成の専門学校のテキストとして、吃音の研究者、臨床家、当事者の共同の取り組みから生まれた。長年の吃音研究や、当事者の生活史の中から、「吃音を治す」にこだわることの弊害を解き、治すことにこだわらない吃音臨床を提言。
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(10) やわらかに生きる ~論理療法と吃音に学ぶ~
石隈利紀(筑波大学教授) 共著
2005年 金子書房
「論理療法と吃音」(芳賀書店)をベースに、現実的で柔軟かつ自分に得となる論理的な考え方にそって、吃音とうまくつき合うことを提案する、考え方の練習帳。
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(11) 話すことが苦手な人のアサーション
~どもる人とのワークショップの記録~
平木典子(東京福祉大学大学院教授) 共著
2007年 金子書房
自分も相手も大切にするアサーションを、どもる人の自己表現に結びつけた一冊。
水町俊郎(愛媛大学教授)のどもる人のアサーティヴネスの研究から、吃音と自己主張について注目し、どもる人の吃音ワークショップで「アサーティヴ・トレーニング」に取り組む。そのワークショップの記録をもとに、どもる人の自己表現について考える。内須川洸(筑波大学教授)と編著者の鼎談で、吃音と自己表現を探る。
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(12) どもる君へ いま伝えたいこと
単著 2008年 解放出版社
ことばの教室担当者から、どもる子どもとの臨床の中で、親や、子どもから出される質問を集めた。質問にやさしく語りかける話しことばで書かれた、小学4年生以上の子どもが直接手にとって読める本。作家・重松清のメッセージ、演出家・竹内敏晴の「話す時に私が心がけていること」の特別寄稿で、日本語の発音発声についての基本を解説。
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(13) 親、教師、言語聴覚士が使える 吃音ワークブック
~どもる子どもの生き抜く力が育つ~
吃音を生きる子どもに同行する教師の会 編著
2010年 解放出版社
アメリカ言語病理学に学び、検証して生まれた、日本語でどもる子どもの日本の吃音臨床。長年、ことばの教室などで、どもる子どもに向き合ってきた16名の教師の実践と討議の中から生まれた。アメリカ言語病理学の最新の治療法を紹介しつつ、日本の吃音臨床を提唱。マニュアル的なエクササイズを基本にしているが、哲学、理論について押さえている。
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(14) ストレスや苦手とつきあうための 認知療法・認知行動療法
~吃音とのつきあいを通して~
大野裕(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長) 共著
2011年 金子書房
アメリカの言語病理学者、ジョゼフ・G・シーアンの吃音氷山説をベースに、吃音の問題の大きな部分である、感情、認知にアプローチ。認知療法の分かりやすい講義と実習、共著者の対談などを通して、吃音の認知行動療法的アプローチの提案。
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(15) 吃音の当事者研究
~どもる人たちが「べてるの家」と出会った~
向谷地生良(北海道医療大学教授、浦河べてるの家理事) 共著
2013年 金子書房
北海道浦河町で浦河べてるの家(精神疾患をかかえる「メンバーさん」たちのグループホーム)を創設して活動を続けてきた向谷地生良さんを講師に迎えて開かれたどもる人たちのワークショップの記録。講演や演習、向谷地さんと伊藤さんの長時間にわたる白熱した対談などを収載。
仲間たちとともにどもりを抱えて生きることを選び、日々の生活がより豊かに広がった経験にもとづく、吃音を「治さない」で「受け入れる」ことのススメ。 どもる子どもは、学校生活の中で様々な困難に直面する。・音読や発表がうまくできない。健康観察、あいさつがうまくできない。・どもることを笑われたり、からかわれたりする。・クラスの友達にどもりのことを理解して欲しい。これらの自分自身の課題について、自分が主体となって、ことばの教室や、担任の先生、仲間と一緒に、「自分を助ける」当事者研究は、ことばの教室修了の後に生きてくる。当事者研究をすすめるにあたっての参考書。
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(16) 吃音とともに豊かに生きる
両親指導の手引き書41
2013年 NPO法人全国ことばを育む会
保護者の皆さんへ、ことばの教室の先生へ、通常の学級の先生へ、どもる子どもが幸せに生きるための具体的な提案を、55ページの小さなパンフレットに盛り込みました。
◇◆◇目次◇◆◇
Ⅰ章 吃音肯定の取り組みの基本前提
吃音肯定へ物語を変えた人々/変えることができるもの/治るとはどういうことか/治療効果の研 究/伊藤伸二の当事者研究/アメリカ言語病理学の歴史
Ⅱ章 保護者の皆さんへ
吃音の原因探しはもうやめましょう/吃音はほとんど一過性のものとは言えない/吃音に悩む人の 問題とは、劣等コンプレックス/吃音を生きぬく力を育てる/子どもと対話する
Ⅲ章 ことばの教室の先生へ
レジリエンス/防災教育と吃音/エビデンス・ベースドよりナラティヴ・ベースド/「脆弱性モデ ル」から「レジリエンスモデル」へ/レジリエンスを阻むもの/子どもと取り組むレジリエンス
Ⅳ章 通常の学級の先生へ
吃音について理解する/どもる子どもを理解する/基本的には特別扱いせず、相談してほしい
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(17) どもる子どもとの対話
~ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力~
共同編著 国重浩一(ニュージーランド・カウンセラー協会会員)
2018年 金子書房
どもる子どもが吃音をどう思い、毎日をどう過ごし、将来にどんな展望をもっているのかを、大人が子供と対等な視点で聞くためのかかわり方とは。
目 次
『どもる子どもとの対話』に寄せて
統合的心理療法研究所 平木典子
序章 どもりのふしぎさ
国重浩一
1章 ナラティヴから読み解く、吃音の特徴と吃音問題の本質
伊藤伸二
2章 どもる子どもとのナラティヴ・アプローチ的な対話の実際
髙木浩明/渡邉美穂/溝上茂樹/黒田明志
3章 ナラティヴ・アプローチとはなにか
国重浩一
4章 それぞれのナラティヴが変わる
吃音の当事者ほか
5章 どもる君へ
伊藤伸二
あとがき
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《書籍分担執筆》
心身障害児教育指導事典 1974年 福村出版
言語障害児の項目 辻村泰男(国立特殊教育総合研究所所長)編
言語障害事典 1979年 岩崎学術出版社
吃音の項目多数執筆 内須川洸(筑波大学教授)他編
講座・言語障害治療教育 1982年 福村出版
吃音児指導 内須川洸(筑波大学教授)編
吃音の心理臨床 1984年 福村出版
成人吃音者の心理臨床 内須川洸(筑波大学教授)編
障害児指導の方法 1990年 学苑社
成人吃音の指導 坂本龍生(神戸大学教授)他編
障害を生きぬく力 1993年 法政出版
障害を受容するために ひばり学園編集
老人・障害者の心理 1995年 ミネルヴァ書房
言語障害者の問題 村井潤一(京都大学教授)他編
論理療法の理論と実際 1999年 誠信書房
吃音と論理療法 國分康孝(聖徳栄養短期大学教授)編
現代カウンセリング事典 2001年 金子書房
セルフヘルプ・グループ/吃音の子
國分康孝(東京成徳大学教授)監修
《執筆論文》
なおらないどもりの子をどうするか
1973年『言語障害研究』79号
家庭や社会における吃音児・者の実態
1973年『言語障害研究』79号
家庭における言語訓練 ~失語症~
1974年『理療』Vol.4 No.3
吃音問題の歴史 ~楽石社と言友会をめぐって~
1974年『大阪教育大学紀要』No.23
失語症における言語訓練の評定
1974年『看護技術』5月号
スピーチクリニック
1974年『小児科』第12巻12号
成人吃音者の一処遇例 -治す努力を否定して-
1975年『大阪教育大学紀要』No.24
成人吃音者の基本的生活習慣の確立
1975年『特殊教育指導事例集』
吃音評価の試み
1984年『日本音声言語医学』Vol.25
第一回吃音問題研究国際大会を終えて
1987年『日本音声言語医学』Vol.28
セルフヘルプグループ言友会の27年の軌跡
1993年『人間性心理学研究』第11巻第1号
そのままのあなたでいい ~セルフヘルプグループで学んだこと~
特集・私たちの人間性心理学を問う
1997年12月『人間性心理学研究』第15巻第2号
どもっているそのままでいい -吃音親子サマーキャンプ-
特集・今、子どもたちの心と社会は
1998年11月『女性ライフサイクル研究』第8号
ことばのまつり
特集・表現者として生きる
2001年『教育と医学』12月号 慶應義塾大学出版会
セルフヘルプグループと倫理
特集・人間性心理学と倫理
2002年『人間性心理学研究』第20巻第2号
情報伝達のことば・私を語ることば・サロン的なことば
特集・「情報」とは何か
2005年『環』Vol.20 Winter 藤原書店
どもる子どもの自己表現への援助
特集・子どものためのアサーション
2008年『児童心理』金子書房
吃音親子サマーキャンプにみる、グループの力
特集・グループの力
2010年『コミュニケーション障害学』Vol.27
竹内敏晴さんに壊された私のことば
特集・竹内敏晴さんと私
2010年『環』Vol.43 Autumn 藤原書店
吃音とともに豊かに生きる
特集・吃音のある子への支援と親の会活動
2014年7月『ことば』NPO法人全国ことばを育む会
つらかった私の子ども時代 怖かった、どもりの勉強するまでは
特集・「つらさ」を抱える子どもたち
2016年『児童心理』金子書房
吃音親子サマーキャンプの場の力
連載・学校外の子どもの今
2016年6~9月『児童心理』金子書房
言語訓練より、哲学的対話のレッスン
特集・発音の誤りと吃音 -ことばの教室の原点に立って
2017年1月『ことば』NPO法人全国ことばを育む会
吃音と就労 わたしのひとこと
2017年5月『働く広場』
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
吃音親子サマーキャンプの実践
特集・子どもの困ったクセ
2017年10月『児童心理』臨時増刊号 金子書房
《学会発表》
日本音声言語医学会、日本特殊教育学会、日本人間性心理学会、日本コミュニケーション学会等で、口頭発表・自主シンポジウムなど多数行う。
《所属学会》
日本音声言語医学会、日本特殊教育学会、日本人間性心理学会、日本コミュニケーション学会、日本家族研究・家族療法学会